Xboxコントローラーに加え、20016年12月にはPS4コントローラーにも正式対応したSteam。Steamコントローラーと明らかに競合する製品への対応は不思議でした。
しかし、実際にSteamコントローラーを使用してみて、この考えは間違いだと分かりました。Steamコントローラーは、他製品と一線を画した唯一無二のコントローラーで、競合するものではないのです。
今回はそんなSteamコントローラーのマイナス・デメリット面から始まり、最後はプラス・メリット面をお話しする、おいしい物は最後に食べる式レビューです。
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PSユーザーには慣れるまでに時間が掛かる特殊なボタン配置
PSをメインにプレイしているユーザーには、SteamコントローラーやXbox式のコントローラーは違和感があるんじゃないでしょうか?
PSコントローラーと比べ、左アナログスティックとX、Y、A、Bボタン(PSでは□、△、×、○)の位置が上下逆さまなのです。私もPS4を長時間プレイした後にXboxやSteamコントローラーを手に取ると未だに違和感を感じます。
海外ゲームパッドはこういう配置のものが主流で、Nintendo Switchのプロコントローラーもこの配置です。
チープな作り込み
唯一無二のコントローラーと言っておきながらなんですが、ボタン配置がよく似ているXboxコントローラーと比べてみたいと思います。
ボタンの材質や押し具合は、残念ながらSteamコントローラーは群を抜いてかなりチープです。XboxEliteコントローラーなんかと比べてしまうと、もはや大人と子ども。特にLT、RT辺りの「パコパコ」した押し具合は不良品かなと思えてしまうくらいです。コントローラー自体の質感も傷が付きやすく、手で握るグリップ部分の形状や質感はあまり良いとは言えません。
PSコントローラーは大きさだけでなく、形状も手に馴染みます。Steamコントローラーはエルゴノミクス(人間工学)に基づいて設計されていないように思えます。
日本人には大きめサイズ
これは先ほどのグリップ部分が馴染まないという話と関連しますが、コントローラー自体が平たく大きめサイズです。私の手は大きくもなく、小さくもなく恐らく標準的な手の大きさですが、Xボタンを押そう親指を伸ばすと右手のグリップが甘くなります。間違いなく外国人サイズですね。
余談ですが、ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピューター(長いっ!)のコントローラーは小さすぎるというクレームは海外ではとても多かったそうです。日本でもコントローラーの大きさは賛否両論でしたが、私はあの小ささでも結構、扱いやすかったです。
コントローラー+マウス=Steamコントローラー
ここまでは、Steamコントローラーのマイナス・デメリットについてお話をしてきましたが、ここからはプラス・メリットについてお話をしていきます。
Steamコントローラーのように特殊な形状のコントローラーとしては、ホリのタクティカルアサルトコマンダーG1やVenom(ヴィノム)Xシリーズがあります。コントローラーの右アナログスティックの機能を切り取ることで、コントロール部分とエイム部分を分けた「特殊コントローラーとマウス」という形です。
しかし、煩雑な設定やゲームとの相性の問題、何よりも片手で移動操作などを行うグリップの不安定さもあり、普及には至っていません。
Steamコントローラーの最大の特徴は、これらの「特殊コントローラーとマウス」のものとは異なり、「コントローラーの中にマウスを入れる」という、まさに逆転の発想とも言える仕様なのです。

Steamコントローラー
コントローラー対応ではないゲームに対応
Steamコントローラーが本領を発揮するのは、コントローラーに対応していないゲームをプレイするときです。
シミュレーションやサンドボックス系ってだらだらゲームをしたい時ってありませんか?作った街並みをゆっくり眺めたり、特に目的もなくのんびりプレイしたりといったとき、キーボード+マウスではそうはいきません。
その点、Steamコントローラーは、右パッドをトラックパッドのように設定できますので、寝転びプレイが快適です。
ゲームに合わせて簡単に設定を変更
Steamコントローラーはタッチパッドを含め、全てのボタンをカスタマイズできることも特徴の1つです。
プレイしたいゲームがSteamコントローラーに公式に対応していれば、その公式の推奨設定ファイルはもちろん、有志の方が公開している設定ファイルも簡単に読み込むことができます。
ゲームによって差がありますが、有名タイトルは、公式、非公式を含めかなり多くの設定ファイルの中から、まずは自分に合ってそうな設定を読み込み、その後、必要であれば微調整をするということができます。PUBGのようにアーリーアクセスのゲームでも有志の設定ファイルは豊富にあります。
キーボード+マウスプレイとコントローラープレイのいいとこ取り
皆さんも経験があると思いますが、FPSのエイムのように「正確」に「素早い操作」が求められるゲームでは、マウスが最強と言えます。
ですが、私のようなファミコン世代はコントローラー操作に慣れてしまっていますので、マウスはいいにしても、キーボード操作には手こずります。そもそもブラインドタッチもおぼつかないのに、キーボード上のWASD以外に、VやSHIFT、ALTキーを駆使するには無理があります。
では、PS4やXboxコントローラーではどうなのか?
右スティックでエイムをすることになりますが、エイムカーソルは「移動」するイメージ。設定によってスピード感を付けることができても「止める」コントロールが難しく、マウスのように正確に素早いエイムすることは出来ません。
この点、Steamコントローラーでは、右パッドをマウスパッドのように使え、右スティックとはエイムスピードが全く違います。
いかがでしたでしょうか?
Steamコントローラーは慣れれば恐らく最強のコントローラーになり得ると断言できます。
「慣れれば」と条件を付けたのは、最大の特徴である右パッドの操作感やコントローラーの大きさが若干馴染みにくい仕様だからです。しかし、私のような40代ファミコン世代の人間がマウスエイムを求めて、キーボードプレイに慣れるよりは遥かに簡単です。
Steamコントローラーは定価7,480円ですが、年に数回、ゲリラ的な30%オフ(5,141円)セールもあります。このセール期間はデジカのサイトだけではなく、Amazonでも安くなっていますので、要チェックです。