先日、シャープの公式Twitter「シャープ製品(@SHARP_ProductS)」がミニスーファミをディスって炎上。7年も続いていたそのTwitterが閉鎖されることになりました。
「私の思い出を価値に換算していくと」と前置きをした上で、ミニスーファミに収録予定のゲームソフト全21本をご丁寧にひとつずつ値付けし、その価値の合計を「4,600円」としていました。ミニスーファミの価格は「7,980円」ですので、約半額です。
収録ソフトは大半が100円から300円と値付けされ、「0円」とされたソフトも8本もありました。
このつぶやきが公開されると共にTwitter上では、
「公式アカウントで他社の製品を値踏みするなんて」
「個人のつぶやきレベルの発言」
「名作ゲームの価値を0円にするなんて」
といった批判が相次ぎ、Twitterが炎上。
事態を重く見たシャープは「シャープ製品(@SHARP_ProductS)」の閉鎖を決めました。
目の付け所がシャープすぎたつぶやきの代償は大きかったといえます。
Contents
炎上から謝罪、Twitterの閉鎖までの流れ
まずは、ことの発端となったツイートから、炎上、油を注ぎ再炎上、そして、謝罪とTwitterの閉鎖までの流れを追ってみます。
ミニスーファミに収録予定のゲームソフトを値踏み
ことの発端は「シャープ製品(@SHARP_ProductS)」の2017年6月27日の下記のツイート(現在は削除されています)。
しかもこのツイートは、任天堂公式アカウントにリプライしているんです。
いったいどういった神経なんでしょう。
バカッターなんて若者を揶揄する言葉がありますが、決して、若者だけではありません。悪のりにも程があります。
個人的な思い出や思い入れはそれぞれですし、まさにプライスレスです。
私は「魂斗羅スピリッツ」「ロックマンX」に思い入れがありますが、それを「0円」と知らないおっさんに評価されるだけでもカチンとくるのに、Twitterとは言え、これを企業の公式の人が言ってはいけません。

ミニスーファミを値踏みするシャープのTwitter(現在は削除済み)
火に油を注ぎ再炎上
バツの悪いことに、ひとたび炎上が始まると「シャープ製品(@SHARP_ProductS)」は「誤解を招いた」として、「0円」と値付けしていたソフトを「未購入」と変更。
これでは火に油を注ぐようなもので、文字通り大炎上となりました。
なぜ、この段階で正式な謝罪へと動かなかったのか疑問ですが、もしかすると、まだ担当者単位で炎上を鎮火できると思っていたのかも知れません。

値踏したソフトを「0円」から「未購入」に変更したシャープのTwitter(現在は削除)
事態の重さに気づいて謝罪
シャープは事態の重さに気づき、翌6月28日に別の公式Twitter「SHARP シャープ株式会社(@Sharp_JP)」で当該ツイートを「不適切」とし、「皆様に不愉快な思いをさせてしまいましたことを、心からお詫びいたします」と謝罪。
その後、Twitterへの投稿が停止していましたが、7月11日になって「企業アカウントはどんな時も、だれかの好きや思い入れを否定することは決して許されません」と再謝罪をした上で、当該ツイートをした「シャープ製品(@SHARP_ProductS)」の閉鎖を発表しました。
皆様に不愉快な思いをさせてしまいましたことを、心からお詫びいたします。 pic.twitter.com/QVxKjnB5xM
— シャープ製品 (@SHARP_ProductS) 2017年6月28日
問題のツイートを行なったシャープ製品 @SHARP_ProductS アカウントは一切の運営を停止いたします。
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2017年7月11日
インターネット、特にツイッターは、だれかが好きなもの、思い入れのあるものを共通項に人々が繋がりあう側面があると、私は思います。だからこそ企業アカウントはどんな時も、だれかの好きや思い入れを否定することは決して許されません。ほんとうに申し訳ありませんでした。
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2017年7月11日
シャープは「フォロワーに情報を提供したいという思いだったが、不適切だった」と説明していたそうですが、いったい何の情報を提供したかったのか疑問を通り越して、腹立たしいです。
現在は謝罪以外の問題のツイートは全て削除され、シャープも任天堂に謝罪をしたとのことです。
シャープと任天堂の深い関係
誰がこんなツイートをしたのか?
「私の思い出(年代的にボリュームゾーン世代より少しずれていることが大きい)」という文面から想像するに、恐らくこのツイートをした本人は30代半ばから40代ではないかと思います。
企業では中核を担う役職や世代に近いはず。
ただでさえ、倒産危機や大規模リストラ、台湾企業に買収されるなどシャープの凋落ぶりへの風当たりが強い中で、危機管理能力の低さを露呈してしまうことになりました。
シャープと任天堂は関係が深い
シャープと任天堂は実はかなり以前から深い関係があります。
「ゲーム&ウォッチ(ゲームウォッチ)」は、任天堂との共同開発ですし、シャープは、ファミコン内蔵テレビ「C1(1983年発売)」やスーパファミコン内蔵テレビ「SF1(1990年発売)」を販売していました。
さらに、ファミコンの開発者の一人、上村氏はシャープ出身ですし、以前に「スーパーマリオ25周年」のインタビュー企画で「ファミコンの開発をシャープとするつもりだった」と発言するほどシャープと任天堂とは深いつながりがあります。
シャープの公式Twitterを任せられる人はこれくらいの歴史は知っておいてもらいたいものです。
ともあれ、今回の炎上の原因となったのは、企業の公式Twitterが他社の製品の価値を面白おかしく値踏みしてしまったことにあります。そして、ミニスーファミを発売する任天堂だけではなく、各ゲームソフトの開発者や販売元、かつてのプレイヤーに対しても不快感を与えたことも事実です。
昔のゲーム仲間と話し出すと、私もついつい愛情を込めて「○○○の挑戦状はくそゲー」だと言ってしまいますが、発言は居酒屋限定にしておきたいと思いました。