「日本のだいたい中心(岐阜県)からRazer愛を叫ぶ」は、私が愛してやまないRazer製品を紹介していくコーナーです。定番のものから日本未発売のレア物まで様々な製品をレビューします。
ゲーミングデバイスでは他の追随を許さないRazer。
ゲーム好きなら誰でも一度はあこがれ、その高額の壁にひるんだ経験がありますよね?
Razeには新旧含めてかなりの種類のゲーミングキーボードがあり、独特なネーミングも手伝って、その違いが分かり難いという方も多いと思います。
そこで今回はそのRazerゲーミングキーボードの中でも「Razer Blackwidow」「Razer Ornata」を比較解説します。
ご参考いただければうれしいです。
Contents
Razer Blackwidow、Razer Ornataシリーズの特徴
Razerのゲーミングキーボードは古いものを入れるとかなりの数になりますが、Razerの公式ホームページではゲーミングキーボードとして「Blackwidow」「Ornata」のみが掲載されています。その中でも、「Razer Blackwidow」はまさに主力商品で、シリーズとして種類も多く、かなり高額です。
また、Razerのゲーミングキーボードにはクモにちなんだネーミングが基本(後述しますが一部例外もあり)となっています。キーボードを素早くタイプする様子は確かにクモが這うような動きですもんね。
Razer Blackwidowシリーズの特徴
「Blackwidow(ブラックウィドウ)」シリーズは、Razerゲーミングキーボードの主力商品です。ネーミングの由来はクロゴケグモ。
アベンジャーズでスカーレット・ヨハンソンが演じたキャラクターや戦闘機の愛称にもなっていることから、アメリカでは馴染みのある名称のようです。
Razerのホームページでは、「Blackwidowファミリー」として8種類が紹介されているくらいシリーズは多く、大家族です。
最新のものは「Razer Blackwidow Chroma V2」のキースイッチ違いの3バージョン(緑軸、オレンジ軸、黄軸)。
キースイッチ、軸については後日、別記事で説明するとして、日本では緑軸モデルのみ2017年2月に発売されています。また、「V2」からは、エルゴノミックリストレストが付属するようになりました。このリストレスト(リストパッド)は、以前はOrnataシリーズにのみ付属していたものですが、Blackwidow Chroma V2のものはより高級感があり、高反発の仕様です。「W、A、S、D」キーを使ってゲームをプレイするには、こちらの高反発のもののほうが安定していて、疲れにくいかも知れません。
Blackwidowシリーズが、新旧含め他のRazerゲーミングキーボードと大きな異なる点は、メカニカルスイッチです。以前は他社製のキースイッチを採用していましたが、「Razer Blackwidow 2014」以降はRazerオリジナルのメカニカルスイッチを使用するようになりました。
Ornataシリーズの特徴
シリーズとしては、「Razer Ornata Chroma(オルナータ クロマ)」と「Razer Ornata」の2種類です。
エルゴノミックリストレストはBlackwidow V2が発売されるまでは、Ornataだけに付属していたもので、滑らかな手触りと柔らかなクッションが優秀。むしろこのリストレスト(リストパッド)に惹かれてOrnataを選ぶユーザーも多かったはずです。
Ornataは本来、「美しい」を意味する言葉です。「Menosira ornata(キンヨウグモ)」や「Peocilotheria ornata(タランチュラの一種)」というクモがいますので、このあたりがネーミングの由来かと思います。
Ornataシリーズの最大の特徴は「メンブレンキーボードとメカニカルキーボードの融合」として、Razerが独自開発した「メカ・メンブレン」を採用したキーボードです。
クリック感、クリック音ともに小さく、Blackwidowシリーズのものとは明らかに異なります。
Ornataはエントリー向けのゲーミングキーボードという立ち位置がBlackWidowとの棲み分けですので、ゲームにもビジネスにも使用できるバランスのいいキーボードといえます。
Razer Ornataについては以前にレビューをしていますので、是非、そちらの記事もご参考ください。
[clink url="http://www.razerlove.com/ornata"]
さそり(Deathstalker)を飲み込んだクモ(Blackwidow)
Razerのキーボードやマウスといったゲーミングデバイスには様々な特徴や機能をもった製品があり、それぞれ棲み分けがしっかりできています。ですが、別シリーズの上位機種にその特徴や機能を吸収され、役割を終えていくていくという流れもまた定番(まさに自然淘汰)です。
先日もRazer Lanceheadが発売になり、Mambaの立ち位置が怪しくなってきました。
[clink url="http://www.razerlove.com/lanceheadte"]
例えば、「Razer Deathstalker」シリーズはメンブレンキースイッチを採用した静音性を謳うシリーズでした。
「Deathstalker」のネーミングの由来は、オブトサソリ。
キーボードなのにどうしてネーミングがクモではないのか少し疑問が残るところですが、背後から静かに忍び寄り一撃必殺の一刺し!というサソリのイメージがキーボードのコンセプトにピッタリです。
しかし、メンブレンキーボードとメカニカルキーボードのいいところ取りのメカ・メンブレンキースイッチの「Ornata」、さらにメカニカルキースイッチでありながらも、静音性を意識した「Blackwidow Stealth(オレンジ軸)」や日本未発売のモデルながら「Blackwidow Chroma V2(オレンジ軸、黄軸)」といったように上位機種が「Deathstalker」の特徴を吸収してしまいました。
特に「Blackwidow Chroma V2」には、クリック感もクリック音もしっかりとある緑軸モデルとクリック感がなく、静音性の高いオレンジ軸、黄軸モデルがあり、ラインナップから見ても、Razerのゲーミングキーボードのフラッグシップモデルとなりました。
スペック比較
Razer Blackwidowシリーズ同士の比較
前述の通り、Blackwidowにはたくさんのシリーズがあります。Ornataとの比較の前にまずはBlackwidowシリーズ間での比較をしてみます。こちらで紹介する仕様は日本未発売のモデルも含まれています。
「Chroma」「X」「Ultimate」「Tournament Edition」の仕様
Blackwidowシリーズはそれぞれに「Chroma」「X」「Ultimate」「Tournament Edition」など固有の名称が付けられていて、これがまた話をややこしくしています。
ひとまずは、ざっと下記にまとめてみました。
- Chroma(クロマ)
個別にプログラム可能なChromaライティング(1,680万色のバックライトキー)が搭載されているモデル。 - X(エックス)
軍用レベルの強靭メタル製ベースを採用したスリムモデル。マクロキーはない。 - Ultimate(アルティメット)
Chromaライティングはなく、緑単色で個別にプログラム可能なバックライトキー付きモデル。 - Tournament Edition(トーナメントエディション)
バックライト、テンキー、マクロキーのないコンパクトなモデル
Razer Blackwidowシリーズの仕様
- Blackwidow Chroma V2
- キースイッチ:緑軸、オレンジ軸、黄軸
- マクロキー:あり
- エルゴノミックリストレスト付属
- Blackwidow Chroma V2
- Blackwidow X Chroma
- キースイッチ:緑軸
- マクロキー:なし
- メタル製ベースを採用
- Blackwidow X Chroma
- Blackwidow Tournament Edition Chroma
- キースイッチ:緑軸、オレンジ軸
- マクロキー:なし
- Blackwidow Tournament Edition Chroma
- Blackwidow Ultimate
- キースイッチ:緑軸、オレンジ軸、青軸
- マクロキー:なし
- Blackwidow Ultimate
Blackwidow Chroma V2とOrnata Chromaとの比較
キースイッチの違い
BlackwidowシリーズとOrnataシリーズの最も大きな違いはキースイッチです。Blackwidowはメカニカルスイッチ、Ornataはメカ・メンブレンスイッチを採用しており、どちらもRazerの自開発のキースイッチ(Blackwidow Ultimateの青軸を除く)です。
どちらのスイッチもクリック感やクリック音を一概に表現することは難しく、特にメカニカルスイッチは内部構造が複雑で、クリック感の有無や、押下圧などを1つのキー毎に自由にカスタマイズできる反面、コスト高になります。Blackwidowシリーズが高級ゲーミングキーボードとなるのも何となく理解できますね。
メカニカルキーボードはキーストロークが深く、クリック感、クリック音が大きい。反対にメンブレンキーボードはキーストロークが浅く、クリック感、クリック音が小さいと覚えておいていただければいいかと思います。少し乱暴ですが、メカ・メンブレンはその中間になります。
- メカニカルスイッチについて(Razerのホームページより)
キーを押すとステムが下向きに移動し、スイッチが有効になり作動が開始されるまでバネが押し下げられます。キーを離すと、バネが元の位置に戻ってキーがリセットされます。
- Razer メカ・メンブレンについて(Razerのホームページより)
「ソフトなクッション性」と中程度の高さを持つキートップ構造により、キーボード全体で自由に指を動かすことが出来、コマンドを瞬時に実行することが出来る「サックリとしたクリック操作性」の両方を結合した革新的な「Razer メカ・メンブレン」テクノロジー(特許出願中)です。
Razerのゲーミングキーボードには外箱に小窓があり、そこから直接、キーを押して感覚を確かめることができます。
リストレスト(リストパッド)の違い
Blackwidow Chroma V2とOrnataシリーズには、エルゴノミックリストレスト(リストパッド)が付属しており、Blackwidow Chroma V2のものは厚くて高反発で、Ornataシリーズのものは滑らかで柔らかい質感です。好みは個人差があると思いますが、Blackwidow Chroma V2のリストレストのほうが高級感があります。
また、Razerのホームページでは、エルゴノミックリストレスト(RAZER ERGONOMIC KEYBOARD REST)単体で販売されています。STANDARD FIT(通常サイズ)、TENKEYLESS FIT(テンキーの無いキーボードサイズ)共に2,588円。Blackwidow Chroma V2とOrnataシリーズのリストレストとはデザインが異なります。
推しはメカ・メンブレンのOrnata!でもBlackwidow Chroma V2の静音バージョンも欲しい
さて、Razerのゲーミングキーボードの比較はいかがでしたでしょうか?
現行のBlackwidowとOrnataシリーズそれぞれ特徴があり、棲み分けがはっきりしています。
個人的にはメカ・メンブレンのOrnataはクセがなくタイピングなどのビジネス用途にも向いているので推します。ただ、Blackwidow Chroma V2の静音バージョン(黄軸)を試してもみたいと思っています。
実は、Razerのゲーミングマウスやヘッドセットは、種類やバージョン違いがさらに多く、もはや混沌としています。いずれはそれらの比較レビューもしてみたいですが、膨大な執筆時間が掛かりそうで今からびびってます。
ちなみにRazerの過去のゲーミングキーボードとして、「Tarantura」「Lycosa」「Anansi」も所有してますので、こちらは近いうちにレビューする予定です。今さらそのレビューに需要があるのかは不安ですが・・・
また、少し特殊なゲーミングキーボードとして、左手用キーボード(Razerではキーパッドと表記)「Tartarus」と「Orbweaver」もあります。
Tartarusについてはすでにレビューをしていますので、短めの記事ですが、よろしければそちらの記事もご覧いただけるとうれしいです。
[clink url="http://www.razerlove.com/razertartarus"]