「日本のだいたい中心(岐阜県)からRazer愛を叫ぶ」は、私が愛してやまないRazer製品を紹介していくコーナーです。定番のものから日本未発売のレア物まで様々な製品をレビューします。
ゲーミングデバイスでは他の追随を許さないRazer。ゲーム好きなら誰でも一度はあこがれ、その高額の壁にひるんだ経験がありますよね?
Razerからゲーミングヘッドセット「Razer Nari Ultimate(レイザー ナリ アルティメット)」「Razer Nari」「Razer Nari Essential(エッセンシャル)」が発表されました!
ワイヤレス(無線)ヘッドセットRazer Nariシリーズの最大の特徴はTHX Spatial Audioと最上位モデルのUltimateに搭載されるRazer HyperSense機能。
今回の記事ではNariの特徴や同じくワイヤレスのRazer ManO'Warとの違い、気になる価格などについてお話ししていきます。
Contents
Razer Nari Ultimate / Nari / Nari Essentialの特徴
Nari(ナリ)の名前の由来
Nari(ナリ)のネーミングについてはRazerのLive Chatで海外サポートに問い合わせてみたのですが、回答としては「Razer headsets are named after sea creatures. Currently, we do not have any information regarding the meaning of Nari.(Razerのヘッドセットは海洋生物から名付けられますが、現時点でNariの由来に関する情報はありません。)」とのことでした。
いくら何でも「情報がない」ことはないだろうと思い、改めてメールでサポートに問い合わせると後日、以下のような丁寧な回答をいただけました。
In Norse Mythology, Nari is the son of Loki and the brother of Vali. In chapter 50 of Gylfaginning, to punish Loki for his crimes, the Æsir turn his son Váli into a wolf and he dismembers his brother, "Nari or Narfi", whose entrails are then used to bind their father.
北欧神話ではナリはロキの息子でありヴァリの兄弟です。『Gylfaginning(ギュルヴィたぶらかし)』の50章では、罪を犯したロキを処罰するため神アシールは彼の息子ヴァリを狼の姿に変え、その兄弟『Nari=ナリ ※Narfiとも表記』の手足を切断し、その内臓は父親を縛るために使われました。)
何とも怖いお話ですが、それはさておき、実は他の製品の件でもRazerのLive Chatサポートで間違った情報を伝えられたことが数回ありました。皆さんもRazerサポートを利用する際はメールで問い合わせをすることをおすすめします。
Razer Nariシリーズの特徴1:THX Spatial Audio
Razer Nari Ultimate、Razer Nari、Razer Nari Essentialで共通する特徴の1つが「THX Spatial Audio」。
このTHX Spatial Audioは、従来の前後左右180度のサラウンドサウンドに上下の音を加えることで深みを与え、これまでにないより自然でリアルな360度のオーディオを実現するというもの。
ただ、THX Spatial Audioは無線接続時にのみ機能します。
THX Spatial Audioは、従来のサラウンドサウンドを凌駕し、周囲360度にサウンドを広げます。Nari Ultimateによりゲーム中の感覚を研ぎ澄ますことができるようになるため、上から来る動きも下から来る動きも、ゲーム内のあらゆる動きに反応することができます。サウンドを武器にして戦闘本能を解き放ちましょう。
引用元:Razer JapanのHP
ちなみに、THXは元はジョージ・ルーカスによって設立された企業で、劇場などの音響技術やその評価、認定サービスに定評がありましたが、2016年にRazerに買収されています。映画館で本編が始まる前の「THX」のロゴと特徴のある効果音に覚えがある方も多いかと思います。
またTHX Spatial Audioの「Spatial」は 『空間の』『空間的な広がりのある』という意味の形容詞です。決して私のように「Special(特別な)」と読み間違えないように…
Razer Nariシリーズの特徴2:Razer HyperSense
Nariの2つ目の特徴は、Ultimateバージョンにのみ搭載される「Razer HyperSense」。
これはサウンドに合わせてイヤーカップ部分が振動する機能で、言わば音を感じることができるシステム。
振動機能を持つヘッドセットは他メーカーでいくつか発売されていますが、Razer HyperSenseが優れているのは、ただ単純に振動するのではなく、方向性や異なる強度を再現するために左右のイヤーカップが個別に振動することです。
先ほどのTHX Spatial Audioと合わせることで、ゲーム内では銃声や攻撃を受けた方向を「音(聴覚)=THX Spatial Audio」と「振動(触覚)=Razer HyperSense」で認知でき、これまでと全く違った没頭感やリアルさを体験できそうです。
バイブレーションも、オーディオキューがゲーム内のどこから発生しているかに応じて、異なる強度で左から右に正確に再現されます。これによりゲーマーはゲーム内の諸状況に関する認識を深めることができます。
引用元:Razer JapanのHP
特徴3:便利なUSBワイヤレスアダプター収納
Nariはイヤーカップ部分にUSBワイヤレスアダプター(USBドングル)を収納することができます。
これは意外と便利。
RazerのサポートページにもUSBワイヤレスアダプターのみの別売りはできないと明確に書かれていますので、無くしてしまわないように気を付けましょう。

USBワイヤレスアダプターはイヤーカップに収納可能 ※RazerのHPより
Razer Nariの3つのバージョンの違い
Nariには「Razer Nari Ultimate」「Razer Nari」「Razer Nari Essential」の3つのバージョンが存在します。
共通の仕様としては、ワイヤレス(Nari UltimateとNariは有線にも対応)であることと、THX Spatial Audioに対応していること。
外観上はUltimateと無印のNariは同じで、Nari Essentialだけマイクブーム部分の形状が異なるようです。

Razer Nariの3バージョンの外観比較
また、別売りのRazerのヘッドセットスタンド(Razer Base Station Chroma) に対応していますので、写真のように、アンダーグローChromaをRazer Huntsman EliteやGoliathus Chromaと合わせると本当にカッコいい!!

Nariは別売りのヘッドホンスタンドに対応しています
Razer Nari Ultimate
Ultimateの名前からも分かるように最上位モデルで「Razer HyperSense」はこのUltimateバージョンにのみ搭載されています。
Razer Nari
UltimateとEssentialとの中間に位置する無印のNariはUltimateから「Razer HyperSense」機能を無くしたモデル。
Chroma対応は変わりません。
ただ、真ん中のバージョンのネーミングが無印の「Razer Nari」だとややこしい…
Nariの大きな特徴の1つであるRazer HyperSenseを無くしている時点で「真ん中」ではない気がするのです。
このモデルはRazer HyperSenseを残して、Chromaを無しにしたほうが良かったのではと「そうじゃないんだRazerさん」感が個人的には強いです。
Razer Nari Essential
EssentialはRazerのどの製品でも、エントリー向けの格安モデルを意味します。
無印のNariからさらにChromaも無くしています。もはや残っている特徴はTHX Spatial Audioのみと少し物足りなさが残ります。
3シリーズの主なスペック比較
Nari Ultimate | Nari | Nari Essential | |
---|---|---|---|
接続方法 | 無線 有線(4極3.5mm) | 無線 有線(4極3.5mm) | 無線のみ |
THX Spatial Audio | 〇 | 〇 | 〇 |
バッテリー | HyperSense・Chroma 使用時:8h Chroma未使用:24h | Chroma使用時:14h Chroma未使用:24h | 16h |
ドライバーユニット | 50mmネオジム磁石 | 50mmネオジム磁石 | 40mmネオジム磁石 |
対応 | PC・PS4 | PC・PS4 | PC・PS4 |
少し驚いたのがNari Ultimateで、HyperSenseとChromaを併用して使った際のバッテリーの持ちの悪さ。
スペック上で8時間ということは実質的にはもう少し短いと考えるべきです。さらにゲームによってHypersenseの使用頻度が高いとバッテリーの減りも早いはず。
使用後には常に次に備えて充電をしなくてはいけないのは不便に感じます。
しつこいようですが、なおさらRazer NariはHyperSenseを残して、Chromaを無しにしてバッテリーの使用時間を延ばすべきだったかと…
ヘッドセットにChromaはいらない勢も多いのではないかと思います。
Razer Nari UltimateとManO'Warとのスペック比較
Razerのワイヤレス(無線)ヘッドセットには「Razer ManO'War(国内発売は2016年)」もあります。
Nari Ultimateとの違いは以下の表の通りです。
※1:Razer公式のオンラインストアでの価格。※2:実勢価格
Nari Ultimate | ManO'War | |
---|---|---|
接続方法 | 無線 有線(4極3.5mm) | 無線のみ |
重さ | 432 g | 375 g |
ドライバーユニット | 50mm・ネオジム磁石 | 50mm・ネオジム磁石 |
イヤーカップ内径 | 56 X 67 mm | 60 mm |
バッテリー | Chroma・HyperSense使用時:8h Chroma未使用:24h | Chroma使用時:14h Chroma未使用:20h |
Razer Synapse | 3.0 | 2.0 |
価格 | 26,880円 ※1 | 20,000円前後 ※2 |
ManO'Warは数あるRazerのヘッドセットの中でも内径60mmとイヤーカップが大きめの製品でした。
Nariも同様に大きめですが楕円形をしており、最近のRazerのヘッドセットに良く見られる「Oval」という形状です。
下記の画像はRazer Kraken 7.1 V2のOval(楕円形)とRound(円形)のイヤークッションのサイズです。
スペック上はNariのイヤーカップの内径は現行のOvalタイプよりも大きめですが、もしかすると同じ大きさかも知れません。海外製品では公表値の誤差はあるあるです。

Oval(楕円形)とRound(円形)のイヤークッションサイズ
その他、ヘッドホンやマイク部分の感度の違いも多少ありますが、体感できるほどの差は無さそうです。
価格と発売日
現時点では無印のRazer Nariのみ、公式のオンラインストアRazerStoreにて発売されています。
UltimateとEssentialについては「第4四半期」とされていますので、恐らく年末商戦に合わせてくるのではないかと思います。
価格は3バージョンとも発表されており、Razer Ultimateが26,880円、Razer Nariが19,880円、Razer Nariが12,980円と、7千円ずつの違いになります。
また、家電量販店やパソコン専門店などでの国内販売は現時点では未定です。

RAZER Nariの日本での価格は19,880円
いかがでしたでしょうか?
昨年(2017年)の今頃は毎月のようにRazerの新製品が発売されて続けていました。
2018年に入り、その傾向は少し落ち着き、財布にも優しい1年となりつつありますが、年末商戦に向けてこの3ヶ月で一気に新製品ラッシュとなる可能性もあります。
その証拠にRazerは10/10(日本時間では11日午前10:30)に新商品の発表を告知しています。
Razer Phone 2の発表だと噂されていますが真相は…
Razer公式日本向けアカウントのツイート
日本時間だと10/11午前10:30ですね。Razer本社からフラグシップラインナップの発表がライブ配信予定。 https://t.co/FrOeeChwfY
— R Λ Z Ξ R 🇯🇵 (@RazerJP) 2018年9月26日