今回はスパイク・チュンソフトから発売(2017年7月11日)された「FIRE PRO WRESTLING WORLD(ファイヤープロレスリング ワールド)」のゲームレビューです。
Steamの早期アクセス(アーリーアクセス)版ということで価格はなんと2,160円!!PS4版の発売も予定されていますが、現時点では発売日や価格は未定となっています。
「ファイヤープロレスリング」は「ファイプロ」の愛称で親しまれる大ヒットゲームシリーズで、外伝なども入れると20作以上のタイトルがあります。第1作の「ファイヤープロレスリング」はPCエンジン用のソフトとして1989年6月22日にヒューマンから発売されました。
当時はボタン連打(ガチャ押し)で技を出すスタイルだったプロレスゲームに、タイミングで技をかけるというシステムが斬新でした。また、体力ゲージがない、技によって流血する、リングを斜め上から見下ろす画面といったシステムもそれ以降のプロレスゲームに大きな影響を与えました。
Contents
ファイヤープロレスリング ワールドのゲームシステム
Steamからゲームをダウンロードし、起動すると初期設定が「英語」になっている場合は、「Options」の「language」から「Japanese(日本語)」に切り替えをしておきましょう。
これまでのファイプロとの違う点と特徴
ファイヤープロレスリング ワールドでは、シリーズのゲームシステムを踏襲しつつ、新技はもちろん、「打撃応酬」「掟破り」「ダッシュリングイン」「ロープエスケープ」といった新アクションに加え、オンライン対戦が可能になったことが大きな特徴といえます。
- 打撃応酬
試合中に突如始まるチョップ合戦、エルボー合戦もプロレスの醍醐味。お互いが攻撃を交互に繰り出し、お互いの汗が飛び散るおなじみの攻防が試合展開をよりいっそう盛り上げます。 - 掟破り
相手の必殺技を一度だけ繰り出せる「掟破り」。藤波の「掟破りの逆サソリ固め」も再現可能に。 - ダッシュリングイン
ダッシュ状態からリングに滑り込むアクション。スロープ状の花道からダッシュリングインなんてかっこいいですね。 - ロープエスケープ
関節技から逃れるためのロープアクション。関節技をかけられている状態でロープに這い寄ることができます。
コントローラーにも対応
基本操作に必要なボタンは移動のための4方向と7個のボタン(技をかけるボタンが4個、呼吸と特殊移動に2個、フォールの1個)。キーボードプレイも可能ですが、やはりコントローラーでのプレイをオススメします。パフォーマンスなどのアクションもL、Rボタン,LRトリガーに設定すればさらに自由度の高い快適なプレイが可能です。
ゲームモード オフラインプレイ:試合形式とルール
ファイヤープロレスリング ワールドのゲームモードはオフラインプレイとオンラインプレイがあります。
オフラインプレイでは「ワンナイトマッチ」「ワンナイトトーナメント」「オープンリーグ」「バトルロイヤル」と、それに加えて様々な試合形式があります。試合のルールは文字が水色になっている箇所以外は自由にカスタマイズできます。
- ノーマルマッチ
通常のプロレスルール。シングル、6人タッグ、ノーDQ(反則裁定無し)など、ルールや参加人数を自由にカスタマイズ可能 - 金網デスマッチ(ケージマッチ)
四方を高い金網で囲まれた状態で戦う試合形式に囲まれたリングで、脱出をかけて戦う試合。勝利条件は「3カウントあり」「脱出のみ」から選択可能 - バラ線発破デスマッチ(電流爆破マッチ)
四方を発破付きのバラ線(有刺鉄線)に囲まれていて、激突すると大ダメージを受ける試合形式 - 断崖爆弾デスマッチ
場外に爆弾が設置されていて、場外に落ちると大ダメージを受ける試合形式 - SWA公式ルールマッチ
総合格闘技とプロレスを両立したルールの試合形式 - グルーサムファイティング(総合格闘技ルール)
12角形の金網に囲まれた総合格闘技ルールの試合。KO決着のみ、ラウンド制、エスケープ無しなど、プロレスとは全く異なる試合形式で戦える。
ゲームモード オフラインプレイ:ミッションモード
ファイヤープロレスリング ワールドがファイプロシリーズの初めての作品だというプレイヤーには、チュートリアルを兼ねた「ミッションモード」が便利です。ファイプロファンには「若元道場」として有名ですね。
与えられたひとつひとつのミッションをクリアしていくことで、ゲーム操作やシステムを覚えながら、エディットで使える新技やコストのポイントを得ることができます。

ミッションモード
今回は若元一徹先生に代わって、スティール=ジョンソン先生がミッションモードの担当。

リングにこだまする「ダメだっ!」の声
※早期アクセス(アーリーアクセス)版ということもあり、現時点(7月14日)からゲームシステムなどが正式リリースに向けて変更になる可能性もあります。
クリエイトモード
レスラーやレフェリー、タイトルベルト、リング、技の名前もエディット
ファイヤープロレスリングシリーズの一番の魅力といえば、やはりレスラーエディット。
ファイヤープロレスリング ワールドでは架空レスラー30人の中から選んでプレイできますが、色々と大人の事情なのか、モデルとなっているレスラーはいないようです。幸い、エディットモードのパーツや技は相当な数がありますので、やる気と根気次第ではどんな実在レスラーも作成が可能。
面白いのが、レスラーだけではなく、レフェリーやタイトルベルト、リング、技の名前までも「クリエイトモード」で自由にエディットできる点です。

エディットモード:技装備
作成したレスラーデータはオンライン共有ができ、ダウンロードも可能
作成したレスラーやレフェリーは、Steam Workshopを通じてオンライン共有でき、他のユーザーが作成したレスラーなどのデータをダウンロードすることが可能。Steam Workshopへは「クリエイトモード」から「ワークショップ」→「ワークショップの閲覧」を選ぶことでゲーム内からアクセスできます。
実はこの機能が非常に好評で、発売から3日間ですでにのべ3000体近くのエディットレスラーやレフェリーなどが公開されています。
ジャンボ鶴田や三沢光晴といった日本を代表する有名レスラーの登録は複数のユーザーによってかなりの数があります。まずはダウンロードをして、自分好みにカスタマイズをするという方法もいいかも知れません。
個人的には「狂乱の貴公子 リック・フレアー」「ランディ・サベージ(マッチョ・キング)」「超合金戦士 アルティメット・ウォリアー」などは、テレビ東京系列局で放送されていた「世界のプロレス」を食い入るように観ていたの往年の海外プロレスファンには懐かしさがハンパありません。
アイ・オブ・ザ・タイガー の曲がかっこよくて・・・

レスラーエディット「ビックバンベイダー」

三沢光晴は複数の登録があります

リック・フレアー

ランディ・サベージ

アルティメット・ウォリアー
ファイヤープロレスリング ワールドのレビューまとめ
PUBGのようなリアルさを追求したガチゲームもいいですが、「FIRE PRO WRESTLING WORLD(ファイヤープロレスリング ワールド)」は、エディットレスラー同士で「実現しなかったあの戦い」を可能にしたり、オンラインで世界中の猛者と対戦したりと、思い入れと夢を持って楽しめるゲームといえます。
プロレスがゴールデンタイムに放送されていた頃と比べると少し活気が無くなった気もしますが、プロレスゲームの正統な系譜を引き継ぐタイトルとして正式リリースを期待しつつ、もちろんそれまで早期アクセス(アーリーアクセス)版を遊びつくすつもりです。
奇しくもそろそろ夏休み。40代のおっさんには懐かしい響きです。
3Dグラフィックやオープンワールドが当たり前になったいま、あえて2Dグラフィックで挑むファイヤープロレスリング ワールドをプレイしながら、あの頃の夏休みを懐かしんでみたいと思います。