今回はASUS JAPAN株式会社様から「ROG Claymore」の赤軸モデル(Cherry MX Red)をお借りできましたので、そのレビューをしていきます。
Claymoreは脱着可能なテンキーパッドが特徴のゲーミンングキーボード。
RGBライティングが映えるフローティングデザインとCherry MX RGBのクリアタイプキースイッチでデスクをこれまでにない輝きで彩ってくれます。

RGBライティングが映えるROG Claymore
記事の後半では「Razer Blackwidow Choma V2(黄色軸)」 との違いも比較します。
お借りしたものとは言え、しっかりと公正なレビューに努めますので、皆さんも是非、厳しい眼でこの記事お読み下さい。
ASUSのHP「ROG Claymore」の製品ページはこちら
Contents
ASUSゲーミングキーボード「ROG Claymore」の特徴
「ROG Claymore」の名前の由来
ASUSのゲーミングデバイスでは「Cerberus(ケルベロス)」シリーズが有名ですが、ROG Claymoreは初めて「ROG」の名前を冠したキーボード。
「ROG(かつてはR.O.G.)」は「Republic of Gamers(ゲーマー共和国)」の略で、その名の通り、ASUSのゲーマー向けの製品名に使われます。
「Claymore(クレイモア)」の意味は、14~17世紀にスコットランドで使用されていた大型の両手剣。
ゲーミンングマウスのROG Spatha(スパタ)やGladius(グラディウス)にも同じく武器の名前が付けられています。
ちなみに社名の「ASUS」は過去に「アスース」「アサス」「エイサス」と呼ばれることもありましたが、2012年に「エイスース」に統一が正式発表され、日本法人名も変更になりました。
ROG Claymoreの外観
外観でひときわ目立つのがキーボードフレームの「マヤ文明を彷彿とさせるパターン(ASUSのHPより)」のデザイン。
シンプルでマットなキーボードとは異なり、人を選ぶデザインかも知れませんが、凹凸のある幾何学模様と光沢のある質感がRGBライティングに映え、光り輝く古代遺跡といったイメージでカッコいいと思いました。
ヘッドセットのROG Centurionのイヤーカップやベースステーションにも同じデザインが施されていますので統一感があります。

ROG Claymoreの特徴のあるデザイン

ROG Centurionにも同じデザイン
また、このデザインの凹凸のおかげで指紋が付きにくいのは個人的にありがたいです。
特徴1:取り外し可能なテンキーパッド
ROG Claymoreの最大の特徴は左右どちらにも設置でき、取り外しも可能なテンキーパッド。
これは本当に画期的!!
脱着は非常に簡単でキーボードとテンキーパッドにある接続端子部分をスリットに合わせて差し込むだけ。
そのため、テンキーパッドを物理的にロックする機能はありませんので、キーボードを持ち運ぶ際に落下しないように注意は必要です。

キーボードとテンキーの端子

テンキーをキーボードのスリットに差し込むだけ
脱着式キーパッドはマクロボタンとして使用したり、マウスの操作スペースを広くとるために取り外したりと、色んなジャンルのゲームをプレイする方には便利です。
私もPUBGなど、瞬時の操作を求められるFPSでは、移動や回復アイテムのボタンを割り当てた左手用キーパッドとして、Cities:Skylinesのようなシミュレーションゲームではマウススペース確保のためにテンキーパッドを取り外してプレイしました。

テンキーの配置パターン ※ROG Claymoreのホームページより
ただ、テンキーパッド単体では使うことができないのは少し残念。キー数が少ないゲームは「テンキーパッド+マウス」だけでプレイできればと思っていました。
テンキーパッドを右側に配置

右側にテンキーを配置
テンキーパッドを左側に設置

左側にテンキーを配置
テンキーパッドを取り外し

テンキーレス
テンキーパッドを接続した状態のClaymoreの横幅は450 mm。
テンキーを取り外せば、横幅は約360 mm(実測値)になり、大きめのマウスパッドのスペースも確保できます。
仕事でもプライベートでも同じPCを使用している人にとっては、用途に合わせて簡単にキーパッドを脱着できるのは便利です。
特徴2:キースイッチはCherry MX RGB赤軸と青軸の2バージョン
国内で発売されているClaymoreはメカニカルキースイッチCherry MX RGBの「赤軸」と「青軸」の2バージョン。海外では茶軸、黒軸のものも発売されています。
赤軸と青軸の違い
赤軸はクリック音、クリック感ともに無く、静音で軽く柔らかなキータッチ。
素早くタイプができるということでFPSやMOBAタイプのゲームに向いています。
青軸はクリック音、クリック感がしっかりと有り、「カチャカチャ」とした確かで爽快な打鍵感。
一般的なゲーミングキーボードのイメージに近く、キーを押した感覚をハッキリと感じたい方に向いています。
ゲーム以外にネット検索や文書作成を多くされる方は、キーが軽くタイピング疲れも少ない赤軸のキーボードが実用性も高くおすすめです。
音声チャットやゲーム実況中にマイクがタイプ音が拾ったり、深夜に家族やご近所から苦情がきたりすることもなく、周りに優しいのも良いところ。

ROG Claymoreの赤軸(Cherry MX MX RGB)
特徴3:フローティングデザインで映えるRGBライティング「AURA」
ゲーミングキーボードでは定番となったRGBライティング(ASUSではAURA)。
Claymoreでは、このライティングがキーボード上で最も映えるフローティングデザインを採用し、クリアタイプキースイッチのLEDと合わせて明るく美しい光で演出してくれます。
この明るさに慣れてしまうと他のキーボードのライティングでは物足りなくなりそうです。

AURAが映えるフローティングデザイン

クリアタイプキースイッチのライティング
ASUSのホームページでAuraをお試し
ASUSのROG Claymoreのホームページでは、Auraライティングを体験することができます。
下の写真中段の黄色枠内でエフェクトを、右下の赤枠内のサークルスライダーで色を選べばリアルタイムに画面上のキーボードのライティングが変わります。

ASUSのHPでAuraの光り方を確認できます
特徴4:キーボードでファン回転数、オーバークロックを管理
お使いのパソコンのマザーボードがASUS製であれば、Claymoreのホットキー機能でファン回転数を制御したり、システムをオーバークロックしたりすることができます。
通常、これらの管理はASUSの統合ソフトAI Suiteを使うのですが、いちいちソフトを立ち上げるのは意外と面倒。キーボードで管理ができれば、気軽に変更ができます。
また、AURAのエフェクト(常に点滅、フェードイン/アウト、波のように点滅など)変更や消灯もホットキーで可能です。
ROG ClaymoreとRazer BlackWidow Chroma V2との比較
私はこれまでRazer BlackWidow Chroma V2(以下、「BlackWidow V2」)の黄色軸を使用してきました。
そこで、ここからは私がお借りした赤軸のROG Claymoreと黄軸のBlackWidow V2の特徴や機能を比べてみたいと思います。

ROG Claymore(手前)とRazer Blackwidow V2(奥)
ROG Claymore「赤軸」 VS BlackWidow V2「黄軸」
まずは実際に使ってみないと違いが分かり難いキースイッチ。
Razerは独自開発のキースイッチを採用していますが、赤軸の感覚に最も似ているのが「黄軸(イエロースイッチ)」です。
アクチュエーションポイント(キー入力を受け付ける深さ)が赤軸は2.0mm、黄軸は1.2mmとなっていますので、黄軸のほうがより浅いポイントで入力を認識する(してしまう)ということになります。
赤軸のアクチュエーションポイントは、Razerのオレンジ軸(1.9 mm)に近い数字です。
また、Claymoreの赤軸のキーは軽いながらも押し込むにつれて反発力が強くなり、小気味のよいタイピング感を得られます。反対にBlackwidow V2の黄軸は、反発力も少なく、より柔らかなキータッチと言えますが、アクチュエーションポイントの浅さが誤操作につながりやすく、好みが分かれると思います。
ROG Claymore「Aura Sync」 VS BlackWidow V2「Razer Chroma」
ASUS製のマザーボードやAura Sync対応のPCパーツを使用していれば、Aura SyncでClaymoreとのライティングの同期が可能です。
PCパーツ以外ではAURA対応のデバイス数が少し不足しているのが気になるところですが、それでもパソコン内部の各パーツと同期されたダイナミックなライティングは是非一度、体験して欲しいと思います。
いっぽう、Razer Chromaはヘッドセットやスピーカー、マウスパッドに至るまで同期できるゲーミングデバイスの選択肢が豊富であるということが強みです。
下記の写真はAURA Syncを使ってClaymoreとマザーボード、メモリ、LEDストリップライト、ゲーミングマウス「ROG Pugio」のライティングを同期させたものです。

LEDの制御ソフト「AURA」でPCパーツとの同期やエフェクトを選びます

AURA Syncを使ってPCパーツ、Claymore、Pugioのライティングを同期
Pugioは、どうしてもClaymoreのライティングに同期するマウスを見てみたくて今回のレビュー用に購入してみました。
ROG Claymore「ROG Armoury」 VS BlackWidow V2「Razer Synapse」
Claymoreは「ROG Armoury」、BlackWidow V2は「Razer Synapse」といったキーカスタマイズやマクロ設定をするための統合ソフトがあります。
正直言ってどちらのソフトも専門用語が多く、初めての方は戸惑うかも知れませんが、ASUSはサポートページが使いやすく内容も充実しているので本当に助かります。「ROG Armoury」のマニュアルや仕様上の注意点などもサポートページにまとめられています。
Razerのホームページは残念ながら全体的に使いにくく、マニュアルの誤字や説明不足は否めませんが、国内のユーザー数やレビュー記事が多いのは設定などに困ったときには心強いです。
また、Claymoreはカスタマイズした設定(プロファイル)を5つまで本体に保存ができ、キーボードで簡単に切り替えができます。
ROG Claymore「脱着式キーパッド」は唯一無二の特徴
マクロボタンやアンチゴーストとNキーロールオーバーなど、ゲーミングキーボードとしての基本的なスペックは、2製品とも大きくは変わりません。
もし、赤軸、黄軸のように軽く柔らかいキータッチのキーボードを選ぶのであれば、BlackWidow V2のようにリストレストがあると手首を固定でき、かなり快適にタイピングができます。
ただ、リストレストは別に購入できたとしても、Claymoreの特徴である脱着式のテンキーパッドは唯一無二の特徴。これがハマる人にとっては何物にも代えがたいものです。
ASUSゲーミングキーボード「ROG Claymore」のおすすめポイント
最後にもう一度、ASUSゲーミングキーボード「ROG Claymore」はどんな方におすすめなのか、そのポイントを整理してみます。
ROG Claymoreのおすすめポイント
- 手軽に脱着が可能なテンキーパッド
- 高耐久のキースイッチCherry MX RGB「青軸」「赤軸」を採用
- RGBライティングが映えるフローティングデザインとクリアタイプキースイッチ
- AURA SyncでマザーボードやPCパーツともライティングを同期
- キーボードのホットキー機能でファン回転数、オーバークロックを管理
いかがでしたでしょうか?
高耐久かつ長時間の連続使用でも快適なゲーミングキーボードは、ゲームはもちろん仕事でも高い実用性を発揮してくれる優れモノ。
「脱着式キーパッド」という一芸に秀でたROG Claymoreは自信を持っておすすめできるゲーミングキーボードです。
ASUSのゲーミングデバイスには馴染みの無い方も多いかも知れません。
ですが、マザーボードやグラフィックボードと、ASUSが提携しているメーカーのメモリ、ファンなどのPCパーツ、そしてキーボードのライティングを全て同期できるのは非常に魅力的です。
今後、他のデバイスメーカーを圧倒するようなキラーデバイスがASUSからどんどん発売されることを期待したいと思います。