毎年、1月に開催され、その年のゲーミングデバイス市場を占う上で重要な国際見本市「CES」。
「ファミリーコンピュータ」「バーチャルボーイ」「XBox」など、これまでも多くの革新的な新商品がCESで発表されてきました。
今回の記事では、CES2018、もしくはこの時期に合わせて発表となったゲーミングデバイスの中から、個人的に気になった「Rival 600(SteelSeries)」「ベゼルフリーキット(ASUS)」「GSP 600(ゼンハイザー)」を紹介したいと思います。
CES(Consumer Electronics Show)とは何か?については「Razer Nommoフルレンジ2.0chゲーミングスピーカー発売!」の記事内をご覧ください。
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Contents
ゲーミングマウス:SteelSeries「Rival 600」

Rival600 ※SteelSeriesのHPより
TrueMove 3+ Dual Sensor System(デュアルセンサーシステム)
「Rival 600」は、SteelSeriesの左右非対称型(右手用)の有線ゲーミングマウス。
「TrueMove 3+ Dual Sensor System(デュアルセンサーシステム)」と呼ばれる「深度計測用光学センサー(Depth Sensing Linear Optical Detection)」と「TrueMove 3」の2つのセンサーを搭載しています。
TrueMove 3は2017年9月に発売されたRival 310と Sensei 310にも搭載されているSteelSeriesとPixArt社が共同開発した最新の光学式センサー。
最高センサー解像度は12,000CPI、トラッキング速度350IPSを誇り、マウスパッド上で移動した距離を正確にトラッキングする「1-to-1トラッキング(100~3,500CPI時のみ)」機能などeスポーツを意識した仕様です。
最大の特徴「深度計測用光学センサー」
デスクが狭くて、端まで動かしたマウスを浮かせて元の位置に戻す際に、カーソルがあらぬ方向に動いてしまった経験ありませんか?
Rival 600の最大の特徴「深度計測用光学センサー」は、マウスがマウスパッドや机上から離れた距離を計測するセンサー。
マウスが浮いたときにセンサーを切り、また再開させる「リフトオフディスタンス」の設定が最小0.5mmからでき、マウスを浮かせた状態で移動させてもセンサーは反応せずカーソルが動くこともありません。
試しに皆さんがいま使っているマウスを浮かせて動かしてみてください。恐らく少し浮かせたくらいではセンサーは反応したままでカーソルも動くはずです。
浮いた状態でもセンサーは反応するのは、一見、便利な機能に思えますが、瞬時の操作が求められるようなゲームプレイ時には誤操作の原因にもなってしまいます。
Rival 600の「深度計測用光学センサー」はこのマウスが浮いた状態でセンサーが反応してしまうことを防止する機能です。
Getting Over It with Bennett Foddyをプレイしているとマウスパッドが足りなくなり、机の端に追い込まれた結果、マウスを戻す際に操作をミスしてしまうことが多かったので、こういった機能は便利だと思いました。
また、私の父親がそうですが、カタカタとマウスを浮かせながら引く癖のある方の誤操作防止にもなりそうです。

Rival600の外観 ※SteelSeriesのHPより

デュアルセンサー ※SteelSeriesのHPより
価格は約8,750~9,800円、2018年春に発売予定
世界市場に向けては2018年2月末に発売予定。
原稿執筆時点ではSteelSeriesのホームページで89.99ドル(約9,800円)、Amazon.comでは79.99ドル(約8,750円)で予約ができます。
製品の詳細はSteelSeriesの「Rival 600」のホームページ(日本語)をご覧ください。
SteelSeries Rival 310 Black
TrueMove 3センサーを搭載した左右非対称型の右手用ゲーミングマウス。ボタン数は6個。
SteelSeries Sensei 310 Black
TrueMove 3センサーを搭載した左右対称型の両手用ゲーミングマウス。ボタン数は8個。
光学迷彩でベゼルを消す:ASUS「ベゼルフリーキット」

ASUSのベゼルフリーキット ※ASUSのHPより
CES2018で発表になった商品でダントツに欲しいと思ったものがASUS(エイスース)の「ベゼルフリーキット(Bezel-free Kit)」です。
光を屈折させることで、錯覚的にベゼルが無いように見せる「光学迷彩」の技術が使われていて、なんだか未来感たっぷりの製品。
ベゼルフリーキットのレンズには、耐久性と透明性の高いアクリルガラス(ポリメタクリル酸メチル樹脂(Polymethyl methacrylate:PMMA)が使われており、レンズを通した部分はわずかに暗くなるようです。
それぞれのディスプレイの角度を130度にするだけで、特別なアプリケーションも必要なく、設置が簡単なことも売りの一つ。
ASUSでは、取り付ける部分の仕様上、対応モニターはROG Swift PG258Q、Strix XG258Qとしていますが、ベゼルフリーキット自体は上下に伸縮しますので、原理的にはどんなモニターでも使えそうです。
とにかく見た目にインパクトがあり、その恩恵も大きい「ベゼルフリーキット」。
現時点で価格や発売日などの情報はありませんが、これでPUBGやレースゲームをしたら臨場感が増すこと間違いありません。

ベゼルフリーキットなし ※ASUSのHPより

ベゼルフリーキットあり ※ASUSのHPより
製品の詳細はASUSの「BEZEL-FREE KIT MAKES MULTI-MONITOR SETUPS SEAMLESS」のホームページ(英語)をご覧ください。
ゲーミングヘッドセット:Sennheiser(ゼンハイザー)「GSP 600」
「GAME ZERO」の後継機「GSP 600」
Sennheiser(ゼンハイザー)からはゲーミングヘッドセット「GSP」シリーズの新作「GSP 600」が発表されました。
現行の「GSP 300」と「GSP 350」の後継ではなく、密閉型(クローズド)ヘッドセットでハイエンド機の「GAME ZERO(2015年)」の後継機という位置づけです。
私自身、初めて購入したゲーミングヘッドセットは「GAME ZERO」でしたが、丸みのあるデザインは少し古臭く感じられ、個人的にはカッコいいとは思えませんでした。
GSP 600は、GAME ZEROのデザインをベースにしながらもデザイン性を意識した外観に仕上がっているように思えます。
また、ゼンハイザーは、元々、マイク機能には非常に定評のあるメーカー。
放送用プロクオリティの集音機能やノイズキャンセリング機能、マイクブームを持ち上げるだけでミュートになる仕様はGAME ZEROでも定評がありました。

ゼンハイザー「GSP 600」 ※ゼンハイザーのHPより
人間工学に基づいた設計のイヤーパッドとヘッドバンド
GSP 600のイヤーパッドとヘッドバンドは、ゲーミングヘッドセットではお馴染みとなった人間工学デザイン。
汗をかきやすい頭や耳に直接当たる部分は通気性の高いメッシュ素材、耳の周りが当たる部分は肌触りが良くひんやりとしたスウェード調(cooling suede-like material)の素材を採用するなど、デザインを維持しながら、機能性も高めた仕様になっています。
また、ヘッドバンド部分のスライダーで締め付けを調整することができ、頭の小さめな日本人にもフィットしやすいと思います。
GAME ZEROにはこの締め付け調整がなく、海外仕様のためか、大きすぎて私の頭には合わず、使用中にずれることが良くありました。

ヘッドバンドは締め付け調整が可能 ※ゼンハイザーのHPより

デザインと機能性を高めたイヤーパッド ※ゼンハイザーのHPより
価格は約27,300円、2018年春に発売予定
公式アナウンスとして、2018年春に発売とされていますが、すでにゼンハイザーのホームページ(海外)では249.95ドル(約27,300円)で予約ができます。
GAME ZEROとのスペック比較
GSP 600とGAME ZEROとのスペック比較
GSP600 | GEME ZERO | |
インピーダンス | 28Ω | 50Ω |
周波数特性:マイク | 10 - 18kHz | 50 - 16kHz |
周波数特性:ヘッドホン | 10 - 30kHz | 10 - 26kHz |
音圧レベル(SPL) | 最大112dB | 最大108dB |
接続方法 | 2 x 3.5 mm (PC用3極) 1 x 3.5 mm (Mac/iPhone/PS4/Xbox Oneなど用4極) | 2 x 3.5 mm (PC用3極) 1 x 3.5 mm (Mac/iPhone/PS4/Xbox Oneなど用4極) |
マイク感度 | -47dBV/PA | -38dBV/Pa |
重さ | 395g | 312g |
単純に数字だけを見てみるとGAME ZEROから大幅なスペックアップが目立つ点はありません。
重さは395gと比較的ずっしりくるタイプですので、ヘッドバンド部分の締め付け調整も含めて、長時間の使用にどれくらいの影響があるのかは気になるところです。
余談ですが、Sennheiserはドイツの会社ですのでドイツ語読みで「ゼンハイザー」が正しい社名だと思われますが、アメリカ国内では「センハイザー」と発音されることが多いようです。
製品の詳細はゼンハイザーの「GSP600」のホームページ(英語)をご覧ください。
ゼンハイザー GAME ZERO
GSP 600はこのGAME ZEROの後継機となります。 2万円を超える価格ですが、レビューでの評価も非常に高く、ゲーミングヘッドセット黎明期の名機。
いかがでしたでしょうか?
幅広いラインナップや矢継ぎ早の新製品発表など、ゲーミングデバイスメーカーではRazer社が有名になりつつありますが、私自身はSteelSeriesやゼンハイザーなど、良い製品は積極的に試してみたくなる雑食系の性分。
ですが、普段、使わないメーカーの商品はホームページ上のスペック比較だけではなく実機を見てみたくなります。
特にマウスやヘッドセットは実際に触ったり、装着してみたりしないと自分にフィットするか不安です。
そんな中、先日、大阪のビックカメラなんば店さんで、驚くくらい豊富にゲーミングデバイスを取り揃えたコーナーを見つけました!
もしお近くに来た際は立ち寄ってみてください。
私にとっては「ゲーミングデバイスの聖地」とも呼ぶことができるレベルです。

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Razerなどの定番のメーカーから、ASUSやCorsair、COUGARまで

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