前回の「Razer Raptor」の紹介に引き続き、今回も同じくCES2019(Consumer Electronics Show)で発表されたRazer初の自社開発PCケース「Razer Tomahawk(トマホーク)/Tomahawk Elite(トマホーク エリート)」の情報をまとめてみます。
前回の記事はこちら↓
Razer Raptor/144Hz・1ms・HDR対応の27インチゲーミングモニター:CES2019で発表された新製品
参考:CESとは?
「CES(Consumer Electronics Show)」は、全米民生技術協会 (CTA / Consumer Technology Association) が主催するコンシューマーテクノロジーのメーカー、開発者、サプライヤーなどが集まる国際見本市。毎年1月にネバダ州ラスベガスで開催され、過去には「ファミリーコンピュータ」「バーチャルボーイ」「XBox」など、多くの革新的な新商品がCESで発表されています。今年は1月8日~11日の日程で開催されました。
※記事内の画像はRazerのホームページより引用しています。
Contents
Razer初の自社開発PCケース「Razer Tomahawk/Tomahawk Elite」
「Tomahawk」名前の由来
製品名の「Tomahawk(トマホーク)」は、ネイティブアメリカンが使う斧の一種。アメリカ海軍の巡航ミサイルの名前にも使われています。
Razerの製品には、キーボードであれば「クモ」、マウスには「蛇」、サウンド関連は「海・海洋神話」に由来するユニークな名前が付けられています。ノートPCは「BLADE(ブレイド=刃)」と名付けられていますのでPC関連製品は武器名というネーミングルールなのかも知れません。
Tomahawk/Tomahawk Eliteのスペック
Tomahawk | Tomahawk Elite | |
---|---|---|
ケースタイプ | ミドルタワー | |
サイズ 奥行 x 幅 x 高さ | 443 x 219 x 475mm | 不明 |
Chroma | 〇対応 両サイドアンダーグロー アドレサブルLED | |
I/Oポート | USB 3.0 Type A x 2 USB 3.0 Type-C x 1 3.5mm Audio Jack x 1 3.5mm MIC Jack x 1 | |
3.5インチベイ | 2 (HDD) | × |
2.5インチベイ | 2 (HDD/SSD) | 4 (HDD/SSD) |
ファン | フロント: 120mm x 2 / 140mm Fans x 2 (または240mm / 280mmラジエーター) トップ: 120mm x 2 リア: 120mm x 2(付属) | 不明 ※リアのみ |
対応マザーボード | E-ATX(280mmまで) ATX ITX / Micro-ATX | |
CPUクーラー高さ制限 | 175mmまで | 不明 |
グラフィックボード長さ制限 | 385mmまで | 不明 |
拡張スロット数 (水平) | 7 | 不明 |
拡張スロット数 (垂直) | 2 | 不明 |
電源ユニット | ATX電源(220mmまで) | 不明 |
Chromaライティングに対応したこと以外はスペック上で特筆すべき点はあまりなさそうです。
外観もこれまでのPCケースメーカーとのコラボモデルと同様のフラットなデザインで、DVD-ROMドライブなどの5(5.25)インチベイもありません。
これまでのDesigned by RazerのPCケース
RazerはこれまでDesigned by Razer(Razer Edition)としてNZXT社のH440、S340、Antec社のCUBEといったPCケースとのコラボを実現してきました。
基本的にはベースとなるモデルに塗装の変更やRazerのロゴ、コーポレートカラーの緑のイルミネーションを追加した仕様です。
Razerのゲーミングデバイスとの統一感が人気だったのですが、ネジが固かったり塗装が剥げやすかったりといったクレームの多い製品も一部にはありました。
後述しますが、CES2019ではTomahawkシリーズと同時にLian li O11 DynamicのRazer Editionも発表されています。
Tomahawk/Tomahawk Eliteの特徴
温度に応じて自動開閉するトップパネル(Tomahawk Eliteのみ)
Tomahawk Eliteのトップパネルはケース内の温度に応じて自動で開閉(上下)する油圧式天板。それに伴い、最も熱を発しやすいグラフィックボードが上部にくるようにマザーボードの取り付け方向が通常のケースとは上下反対になっています。
メンテナンス性の高いサイドパネル
Razer Tomahawkの強化ガラス製サイドパネルはマグネット式、Tomahawk Eliteは両サイドのパネルがガルウィングのように開く仕様になっています。
スライド式やマグネット式など、ツールフリーでサイドパネルを取り外すことのできるPCケースは近年の流行ですが、Eliteのように両サイドが跳ね上がる仕様のケースはかなり特殊。
ただ、この開閉のため両サイドにスペースが必要ですので設置場所が限られてしまうかも知れません。
本格水冷向きのTomahawk Elite
Razerでは「Tomahawk Eliteは本格水冷(液冷)を念頭に置いて設計された」としています。
デザイン面でもパーツの組み込み易さという点でも本格水冷に適したモデルで、ホームページ内では使用する水冷パーツの一例として具体的に「EK Water Blocks(EKWB)」とメーカー名が挙げられていました。
Razerとのコラボ水冷パーツが発売される可能性もありそうですね。
少し余談…Razer Synapseが音声アシスタント対応に!
余談ですが、CES2019ではRazer Synapse 3が音声アシスタント、Amazon Alexaにも対応すると発表がありました。
AlexaやRazerのヘッドセットのマイクを使って音声でChromaライティングや各デバイスのプロファイルを変更できるようになります。
音声コマンドの一例
- “Alexa, ask Chroma to change my lighting profile to FPS mode.”
「FPSモードのライティングに変更して」 - “Alexa, ask Razer Synapse to decrease my DPI to 200.”
「Razer SynapseでマウスのDPIを200に変更して」 - “Alexa, ask Razer to change Audio settings to Movie mode.”
「オーディオをムービーモードに変更して」
※Razerのホームページより
PCファンを音声コントロールするThermaltakeの「TT RGB PLUS」もありますが、複数のデバイスの設定を機器から手を離さず音声でコントロールできるのは非常にシームレスで大きな魅力です。
但し、音声アシスタントへの対応時期としてRazerは「第2四半期(2019年春以降)に米国とカナダから」としています。その他の言語への対応は「(恐らく)2019年末」とされていますが、日本語への対応は先になりそうな気がします。
Razer Tomahawk/Tomahawk Eliteの発売日は?価格は?
Tomahawkシリーズの発売日については公式に「発売は2019年夏から秋頃」とアナウンスされており、価格については近日中に発表があるそうです。
また、The Lian Li O11 Dynamicとのコラボモデルの発売は2019年春、価格は169.99ドルと既に発表がありました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Tomahawk Eliteの自動開閉天板や跳ね上げ式のサイドパネルはメカ好き垂涎の仕様ですね。また一つ「#お前らのデスク周り晒していけ」界隈が賑わいそうな予感がします。
個人的にも本格水冷を念頭において設計されたPCケースと聞くと、その沼に片足を突っ込んだ者として期待せずにはいられません。
また、余談としてご紹介しましたが、音声で複数のデバイスのライティングや設定のコントロールができる時代がこんなに早く来るとは驚きです…
私のようなスタートレック世代は胸が熱くなります。
「Computer, Tea, Earl Grey, Hot」なんて言ってみたいです。
Alexa:『ごめんなさい、今はわかりません。』
私:…