今回はテックウィンド株式会社様からAKRacing(AKレーシング)のゲーミングチェア「Overture(AKR-OVERTURE-WHITE)」をお借りできましたので、そのレビューをしていきます。
普段、私はDXRACER(デラックスレーサー)の「レーシングシリーズ(DXRACER RW0-WH)」を使っていますので、記事の後半ではゲーミングチェアの中でも最高峰と名高いAKRacingとDXRACERの2商品についてその違いを比較してみます。
皆さんのゲーミングチェア選びのヒントになりましたら幸いです。
お借りしたものではありますが、しっかりと公正なレビューに努めますので、皆さんも是非、厳しい眼でこの記事お読みいただければと思います。
AKRacingのゲーミングチェア「Overtureシリーズ」製品一覧
※テックウィンドのホームページへ
Contents
AKRacingの最新ゲーミングチェア「Overture(オーバーチュア)」
高品質で豊富なカラーバリエーションが魅力
「Overture(オーバーチュア)」は2017年12月に発売されたAKRacingのゲーミングチェアの最新作。
AKRacingではOvertureを「スタンダードモデル」としていますが、一般的なゲーミングチェアの1.2倍の密度の高反発モールドウレタンフォーム、経年劣化に強い高品質PUレザーの使用など、個人的にはややハイエンドよりに感じます。
全6色展開でピンクやパープルといった珍しいカラーもあります。

AKRacing Overtureの豊富なカラーバリエーション ※テックウィンドのHPより
AKRacingファンの方は公式チャンネルでグラビアアイドルの倉持由香さん、吉田早希さん、水沢柚乃さんによる「ゲーミングチェア組立て配信」をご覧になったかも知れません。 もちろん私も視聴し、放送で使われたグラドルのサイン入りOvertureのプレゼント企画にも応募しましたが…
放送を見逃してしまった方はAKRacingの公式Twitterのリンクから再視聴ができます。冒頭の「RIZIN(ライジン)」所属選手によるPVも必見!
グラドル組立配信 間もなく開始です→https://t.co/dGPkvAa8vg #AKRacing
— AKRacing 公式 (@AKRacingJapan) January 18, 2018
ゲーミングチェア「Overture」の特徴
では、実際にOvertureを使ってみた感想やその特徴についてお話をしていきます。
組み立て開始から20分で完成
AKRacingはゲーミングチェアの最高峰。Overtureの外箱もかなりの大きさです。
同梱物は写真の通り、非常にシンプル。組み立て用の工具だけではなく、手袋まで同梱されている親切さに安心感を覚えます。
意外だったのはネジが3本しか入ってなかったこと。
実は他のネジはすでに必要な場所に仮止めされています。組み立てマニュアルに従って本体から取り外して使っていきますので、ネジを入れる場所が分からなかったり、間違ったりすることがありません。

Overtureの外箱

Overtureの同梱物
マニュアルを見ながらでも20分程度で作業終了。組み立てに不慣れな方でも心配ありません。

約20分で完成!
組み立て時の注意点を挙げるとすると、キャスターを五本足のベース取り付ける際、ついつい体重を掛けて押し込みたくなりますが、写真のように両手を使って押し込めば軽い力ですんなりと入ってくれます。

キャスターは両手で入れると簡単
体全体を均等に支えてくれるバケットシート
ゲーミングチェアの特徴的なデザインはレーシングカーを再現した「バケットシート」。
体を包み込むようなシートですが、ホールド感が強いものもあり、人によってはこれを窮屈に感じてしまいます。
Overtureのバケットシートは、身長170cm、体重70kgと日本人の平均的な体形の私が座ってみたところ、ゆったりとして窮屈な感じはしませんでした。
ホールド感強く包み込むというよりも、しっかりと体全体を均等に支えてくれるイメージ。

堅牢なメタルフレームと極厚シートクッション ※テックウィンドのHPより
バケットシートの形状やデザインは好みが別れるところですが、ゲーム以外に仕事でも椅子に長時間座る方はOvertureのようにゆったり目のシートを選ぶことをおすすめします。
ホールド感が強いゲーミングチェアはレーシングゲームで臨場感を高めたり、ハンドルやコントローラー操作を安定させたりする用途に向いているのではないかと思います。
劣化に強い高品質のPUレザー(合成皮革)を使用
Overtureでは経年劣化に強い高品質PUレザーを椅子の表面素材に使用しています。
PUレザーは「ポリウレタンレザー」の略で、合成皮革(合皮)とも呼ばれる素材。
ゲーミングチェア選びで予算に直結するのがこの表面素材です。
一般的にはPUレザーか、布地(ファブリック)の選択になります。PUレザーは耐久性が心配という意見もありますが、布地でもメッシュ部分に埃や汚れが詰まってしまい、使用感がでやすくなります。
どちらの素材でも定期的な手入れが長持ちの秘訣であることは間違いありませんが、個人的には拭き取り掃除などのメンテナンス性の高さでOvertureのようなPUレザーの椅子がおすすめです。
PUレザーをより長く快適に使うための手入れ方法についてはテックウィンドのホームページ内の「PUレザーのお手入れ方法について」も参考にしてください。
高価なゲーミングチェアを購入する以上、長持ちさせたい気持ちは誰でも同じですよね。
180°フルフラットまで無段階のリクライニング
Overtureは180°のフルフラットまで無段階にリクライニングさせることができます。
大きく安定感あるバケットシートの心地よい支えは「人をダメにするゲーミングチェア」なんて表現をする人もいるくらいです。
私は仕事に趣味のゲームにと、起きている時間のほとんどを椅子に座って過ごします。この180°のリクライニングがあれば、ゲーム中に仮眠、いや熟睡もできそうです。

180°までの無段階リクライニング機能
フルフラットにした際に腰が痛くなる方は、オットマンのような足乗せ用のスツールがおすすめです。私は今回のレビューに合わせて購入しました。

フルフラット時に便利なオットマンスツール
正しい姿勢をサポートする「ランバーサポート」
「ランバーサポート」は少し聞き慣れない言葉ですが、「ランバー」とは腰の意味です。
正しい姿勢には脊椎がS字カーブ(生理的湾曲)を描くことが大切で、そのために腰椎などを支えてくれるのがランバーサポート。疲労軽減のために車のシートにも使われています。
当初はこのランバーサポートに違和感がありましたが、それは恐らく私に正しくない姿勢で座る癖が付いていたからかも知れません。正しい姿勢を保つことは、腰痛や肩こり、眼の疲労軽減にもつながります。

Overtureのランバーサポート

不要な場合は簡単に取り外すことも可能
ロッキング機能でリラックス
意外と使い時が分からないロッキング機能(ゆりかご機能)。
私はゲームのロード中の背中や腕を伸ばすストレッチに使っています。正しい姿勢で座っていたとしても定期的に体をほぐしてリラックスすることも大切です。
また、仕事では、考え事をしたり資料を読んだりする際にロッキング機能をオン、反対に集中したいときは揺れが気にならないようにオフという使い方も便利だと思います。
ロッキング機能は手軽なレバー操作でオン/オフの切り替えができ、座面裏側のノズルで揺れの硬さ(ロッキング機能が働くのに必要な力)調節もできます。

ロッキング機能は手軽にオン/オフ可能

座面裏のロッキング機能調節ノズル
オフィスチェアとしても便利
ゲーミングチェアのOvertureを仕事でも使ってみました。
通常のオフィスチェアは本体が軽いため、ストッパーがあってもキャスターが前後左右に動きやすく、安定して正しい姿勢を維持できません。
気が付けば肘だけで体を支える前傾姿勢になっていたということはありませんか?
また、背もたれが低く、ヘッドレストも無いものが多いため、重い頭を不安定な姿勢のままで首が支え続けることになります。
Overtureはその重量と大きめのキャスターのおかげで安定しており、頭や首を支えてくれるヘッドレストと高い背もたれ(ハイバック)、ロッキング機能やフルフラットまでの無段階リクライニングなど、長時間のオフィスワークにも向いています。
また、パソコン操作時と書く仕事の時では、最適な椅子や机の高さが異なりますが、座面やアームレストの昇降もスムーズで、気軽に上げ下げができます。
スタイリッシュなデザインだけではなく、実用性も兼ね備えていますのでオフィスチェアとしても便利だと感じました。
AKRacing「Overture」とDXRACER「レーシング」の違いを比較
さて、ここからは、AKRacing「Overture」とDXRACER「レーシングシリーズ」との違いを比較していきたいと思います。

AKRacing「Overture」とDXRACER「レーシングシリーズ」。 まさかこの2製品が私の部屋で並ぶとは…感慨無量です。テックウィンド様のご厚意に感謝いたします。
まず最初に断っておかなければなりませんが、この2製品が完全に競合する商品かどうかは判断の難しいところです。
ただ、ゲーミングチェア購入の決め手の一つになる価格はOvertureが49,800円、レーシングシリーズが45,800円と、ほぼ同価格であることからも、かなり近い商品であることは確かです。
では、この数千円の差を埋めるものは何なのか?
ここまでのOvertureの特徴を踏まえながら考えてみることにします。
注:DXRACERの「レーシングシリーズ(以下、「レーシング」)」はいくつかのバージョンがありますが、記事内では私が使用している「DXRACER RW0-WH」を指しています。
Overtureとレーシングのスペックを比較
上記の写真を見ていただければ分かると思いますが、Overtureとレーシングのサイズや見た目は非常によく似ています。
それぞれのスペックで大きな違いがあるのは、座面やランバーサポートのサイズと耐荷重です。
AKRacing「Overture」 | DXRACER「レーシング」 | |
---|---|---|
座面サイズ | 33 ~ 39 cm × 51.5 cm | 30 ~ 36 × 45 cm |
ランバーサポート (横幅 × 縦 × 高さ) | 33 × 21.5 × 7 cm | 30 × 17 × 7 cm |
耐荷重 | 150 kg | 90 kg |
※座面・ランバーサポートのサイズは個人的に図ったものですので多少の誤差はご了承ください。
アームレストの形状、質感の違い
アームレストはOvertureもレーシングも上下昇降が可能です。
どちらもウレタン樹脂製ですが形状や質感は異なります。Overtureは弾力性が強く、レーシングは少し柔らかめ。服の上からでは分かり難いですが、直接、肘や肌を当ててみると違いをはっきりと感じます。

アームレストは高さ調節が可能

アームレストの形状は異なります
レーシングのアームレストのみ上下昇降に加え、前後スライド・左右首振り機能(3Dアームレスト)が付いています。
リクライニング角度の違い
Overtureはフルフラットに180°まで倒すことができます。
レーシングは135°のリクライニング+15°のロッキング機能で150°まで倒せるとしていますが、低い位置でグラグラと揺れるのは不安定に感じました。
また、どちらも背もたれが高いため、リクライニングにはそれなりのスペースを確保しておく必要があります。
参考までに、90°、135°、フルフラットにした場合の奥行きを図ってみました。
※個人的に図ったものですので多少の誤差はご了承ください。
Overtureとレーシングのリクライニング時に必要なスペース
リクライニング角度 | AKRacing「Overture」 | DXRACER「レーシング」 |
---|---|---|
90° (キャスター含む) | 75 cm | 70 cm |
135° | 119 cm | 115 cm |
180° | 138 cm | × |

Overtureのリクライニングに必要なスペース
シートの座り心地
Overtureとレーシングの違いを最も実感するのが、シートの座り心地です。
身長170cm股下75cmと少々短足な私が、ランバーサポートを使用した状態でそれぞれに座ってみます。
Overtureでは広い座面の縁が膝裏の少し手前まで届き、太もも全体をほぼカバーしてくれましたが、レーシングでは膝が椅子から完全に出てしまいました。
座面の奥行きを図ってみると、Overtueは51.5cm、レーシングは47cm。わずか4.5cmの差ですが、Ovetureは横幅も広く、座面の面積は約300平方センチメートルの違いがあります。

Overtureとレーシングの座面サイズの違い
座面自体は、Overtureが高反発でしっかりとお尻を支えてくれるのに対し、レーシングは柔らかく体重で少し沈みを感じます。
両製品で使われている内部素材の技術的な違いは分かりませんが、Overtureでは一般的なゲーミングチェアに比べて1.2倍の「高い密度の高反発モールドウレタンフォーム」が使われているとしています。
固くしっかりと支えてくれる高反発な座面が良いか、柔らかで少しふかふかとした座面が良いかは好みの分かれるところだと思います。
また、座面が高反発なOvertureでは表面素材のPUレザー(合皮)がぴったりと張り付いているので、ヨレやへこみが出にくいかも知れません。
実際、私の使用しているレーシングでは、柔らかいウレタンフォームとPUレザーとの間に空間ができるのか少しヨレが出てしまっています。

写真では分かり難いですが、レーシングの座面にヨレが出ています
座り心地の良さは、正しい姿勢で座り続けられることに直結し、腰痛や肩こりはもちろん、ストレートネックや頸椎ヘルニアといった深刻な病気の予防にもなります。
AKRacing ゲーミングチェア「Overture」のメリット、注意点のまとめ
最後にもう一度、AKRacingのゲーミングチェア「Overture」はどんな方におすすめなのか、そのメリットと注意点を整理してみます。
Overtureのメリット
- 体をしっかりと支えてくれる高密度・高反発モールドウレタンフォーム
- 広い座面で快適な座り心地
- 椅子の表面には経年劣化に強い高品質PUレザーを使用
- 拭き取り掃除などメンテナンスが簡単
- 180°のフルフラットまでの無段階リクライニング
- オフィスチェアとしても便利
Overtureを選ぶ際の注意点
- 定期的な手入れが長持ちの秘訣
- 布地素材の椅子に比べると固めの座り心地
- 背もたれが高いのでリクライニング時にはスペースが必要
- アームレストは高さ調節のみ
AKRacingのゲーミングチェア「Overtureシリーズ」紹介ページ
※リンク先はテックウィンドのホームページ
Overtureは確かに高価な買い物ですが、そのコストパフォーマンスは非常に高いと思います。
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テックウィンドが販売するAKRacing(エーケーレーシング)シリーズには、「Overture」以外にもオフィスチェアの「Premiumシリーズ」、ハイエンドのゲーミングチェア「Pro-Xシリーズ」、ファブリック素材の「Wolfシリーズ」など数多くのラインナップが揃っています。
きっと皆さんに合ったものが見つけられると思いますので、気になった方は是非、下記のテックウィンドのAKRacingの各シリーズのブランディングサイトをご覧ください。